光がんざき亭

光で演芸のお楽しみを! 生の落語や浪曲、講談、演芸に触れる機会が少ないなら、その機会をつくっちゃお! だって、演芸が好きだから。 ふだんのまちの中に、演芸というお楽しみをみなさまと一緒に作り育ていきたい。 どうぞ光がんざき亭へお運びくださいませ

次回に備えて浪曲「超」入門

 

光がんざき亭たより第9号に掲載した

次回に備えて浪曲超入門を掲載します。

まとめるにあたっては、ご常連のOさんにご協力いただきました。

 

浪曲ってなに?

節と語りで物語を綴る芸能です。三味線の演奏が入ります。

その三味線は太棹で、演奏者は曲師といいます。

 

浪花節とも言う?

はい。浪曲は、古くから伝わる浄瑠璃説経節、祭文語りなどが基礎になって大道芸として始まりました。明治の初め、大阪の芸人浪花伊助が新しく売り出した芸が大うけして、演者の名前から「浪花節」と名付けられました。

 

節ってなに?

歌う部分のことで、セリフの部分は啖呵(タンカ)といいます。浪曲の魅力は「一声二節三啖呵」と言われます。

 

浪曲って古いものってイメージがあるけど?

明治初期から始まった演芸なので、実は落語より新しいものなのです。当時は地方から東京に集まった労働者の間で、粋や人情を語る落語より、音楽性のある浪花節が大いに受けました。以後、桃中軒雲右衛門や二代目広沢虎造の活躍、レコードやラジオの発達で人気を博します。

大正から昭和の全盛期には、長者番付の上位は浪曲師が名を連ねていたほどです。高度経済成長期以降、二葉百合子三波春夫などの浪曲歌謡が流行りますが、時代の変化とともに浪曲の人気は陰っていきます。

しかし、平成に入り、国本武春が自ら三味線を演奏する弾き語りスタイルで「忠臣蔵」をアレンジするなど、今に聞かせる浪曲を模索し始め、最近では、玉川奈々福をはじめ、春野恵子、菊池まどか、玉川太福など、東西共に若手の浪曲師が活躍し、新作や他芸能とのコラボレーションなど多彩な展開を見せています。

 

曲師の演奏には楽譜があるの?

ないそうです。曲師は単に伴奏ではなく、1対1の丁々発止で物語を綴っていきます。同じ演者で同じ演目でもその時々で声の調子や節まわしが違うため、それに合わせて演奏し、合いの手(曲師が曲の合間に入れる発声)を入れます。

 

浪曲を楽しむコツってありますか?

ライブで聴いていて、おもしろい!と思えば大いに笑い、じわっと目頭が熱くなれば我慢せず泣いていいんです。

良い!すごい!と思えば拍手をしたり、「名調子!」「日本一!」と声をかけたりしてください。

耳で聴いて心で感じて、できれば感じたままが演者に伝わるリアクションをしてください。それが浪曲を楽しむコツです。