光がんざき亭

光で演芸のお楽しみを! 生の落語や浪曲、講談、演芸に触れる機会が少ないなら、その機会をつくっちゃお! だって、演芸が好きだから。 ふだんのまちの中に、演芸というお楽しみをみなさまと一緒に作り育ていきたい。 どうぞ光がんざき亭へお運びくださいませ

光がんざき亭其の33 三遊亭歌奴独演会 お礼

いつもご贔屓にありがとうございます

其の33 三遊亭歌奴独演会、ご来場いただき、
誠にありがとうございます。

今回は2年ぶりに私達のホームグラウンド、
Be st.催事場にて開催いたしました。

新型コロナウイルス感染対策を講じて、
定員を40人に限定しました。

光がんざき亭存続を心配された歌奴師匠からのご提案で、
文化庁のコロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業
(ARTS for the future) の一環で開催しました。

 

ご出演は三遊亭歌奴師匠、鏡味仙志郎さん、三遊亭歌彦さんのお3人。

演目は

新聞記事 歌彦

試し酒 歌奴

茶番(忠臣蔵五段目 山崎街道)

 お仲入り

太神楽 仙志郎

人情匙加減 歌奴


2年ぶりのBe st.催事場での開催です。
いつもののぼりも立てました。
一日限りの寄席、出現です。

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受付に立っていると、お客様から「待ってました」「お久しぶりです」とお声かけいただきました。
いつもお客様、久しぶりのお客様、初めてのお客様、
光市内はもちろん、田布施、平生、下松、周南、山口、岩国、大島、
都合がついて転居先の出雲市からお越しくださった元ご常連様も。
続々お集まりいただき、いよいよ開演時間です。

 

最初に登場の歌彦さん、歌奴師匠のお弟子さんです。

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あいにく私は中に入りそびれて、ドア越しに耳をそばだてて聞いたのですが、はっきり聞こえる良いお声。

世話人Nに言わせると「筋の良さを感じる」とのこと。

 

つづいて、歌奴師匠。
歌奴師匠は2019年2月以来のご出演ですが、前回は室積の
アイランドアカデミーが会場でしたので、Be st.催事場へは
2013年5月以来、実に8年ぶり。

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5升の酒が飲めるか、どうか賭けをする噺『試し酒』。
酒を飲むしぐさをしながら、師匠が喉を鳴らして演じます。

大きな盃を「くい、くい、くい」と上げていくと、
師匠の喉が「くう、くう、くう」と鳴ります。
その美味しそうな音!!

こじんまりとしたBe st.催事場ならではで、
師匠が演じる効果音がよく聴こえます。

中手(演技途中賞賛する拍手のこと)も入る名演技!
ほれぼれ聴き入りました。。

 

つづいて、茶番(ちゃばん)
歌奴師匠と仙志郎さん、登場。

茶番(ちゃばん)とは、茶番劇の茶番。
参考文献『現代落語辞典』によりますと、
「茶番狂言のこと。二人または三人が掛合いで演ずる滑稽芝居(略)」と説明してあります。
演ずるのは歌舞伎の一場面などで、面白おかしくパロディで演じられます。

今回は落語『中村仲蔵』でもおなじみの
忠臣蔵五段目、山崎街道の場面。

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お二人でよく演じられる茶番なので、
コンビネーションはばっちり。
息の合った掛け合いで、笑いを誘います。

 

お仲入りには換気もして
後半です。

 

まずは仙志郎さんの太神楽(だいかぐら)
傘の曲芸

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意外にBe st.催事場は天井が高いので、
傘の上で回す金輪も毬も高くあがります。

 

五段茶碗
一つ一つ茶碗を積み重ね、高さを増していきます。
最前列のお客様はドキドキ。
技が決まるごとに、お客様もマスク越しに「おお~」と声がもれます。

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最後にも一度、歌奴師匠が高座へ。

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大岡裁き物の『人情匙加減』
恋煩いで病んでしまった花魁を看病した若旦那が騒動に巻き込まれ、それを仲裁する大家さん、ついには「お恐れながら」と大岡越前守様の裁きを受けることに。
登場人物が多い話ですが、ちょっとしたしぐさや声の調子できっちりと人物を演じ分けられるので、すんなりと物語の中に入っていけます。
どうなる?どうなる?と展開にハラハラしますが、
そこは名裁きで一件落着、溜飲が下がる思い。

噺の中にアルクや室積温泉など地元ネタや、日本大学理事長など時事ネタのくすぐり(噺の中で笑いを誘うギャグ)がちりばめられ、それが絶妙で、大笑い!

歌奴師匠の落語はいつ聴いても、どの噺でも
お人柄がにじみ出て朗らかで、笑っているうちに気持ち良く、明るく幸せな気分になります。

 

ひと時、日ごろの憂さやコロナ禍を忘れて、
楽しい時間を過ごすことができました。

こじんまりしたBe st.催事場ならではの醸し出される一体感が

光がんざき亭の真骨頂なのかもしれません。

 

来年は12年目、干支も一回り、

光がんざき亭はこれからも機会をとらえて、開催いたします。